JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「ねぇ、暑くないっ?
窓開けていい?」


「あ、ごめん気付かなくてっ。

そうだっ、もう少ししたらコンビニがあるから、何か冷たい飲み物でも買おっか」



そうして。

すぐに着いたその駐車場で、ドリンクを買いに行ってくれた響を待っていると…



「っ、響っ…!」

開けてた窓から、女の人の驚く声が飛び込んで来た。


思わず前方に身を乗り出して、その声の方を覗き込んだら…

刹那。


胸がありえない衝撃で貫かれる。




そのショートボブの女の人が、ちひろさんだとすぐに判った。


なぜなら私は、その人の身代わりで…

私たちの顔は、とてもよく似ていたから。




当然響は、思わぬ再会に酷く動揺していて…

だけど、ハッとこっちにその視線が向けられて。
バチッと目が合う。


とっさに私はそれを逸らしたと同時、乗り出してた身体を引っ込めた。


そうすると私の姿は隣の車に隠されて…

それが救いだと思った。



「っっ…

戻って、来てたのっ…?」


「っ…!

ごめんっ…
っ、本当にごめんっ」

苦しげにそう漏らして、その場を振り切ったのだろう。
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