JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
今、自覚してしまった。


こんなに胸が痛いのは…

身代わりじゃ嫌だと、傷付いてるのは…



響を、好きになってしまったからだ。






その人は、ちひろさんの事で頭がいっぱいなんだろう…

車内は、ずっと沈黙で。


込み上げてくる涙を必死に押し殺してた私は…
声を出すと泣き声になりそうだったから、それがちょうどよかった。



今の響はそれどころじゃないだろうし。

それに…


ー「愛が欲しいけど、実際もらうとしんどくない?」

「…うん、無理」

「だよね。
求められるのなんて輪をかけて無理だし…

けど、お互い永遠の片思いならそうはならないだろうし…」ー


この気持ちがバレるわけにはいかない。




ごめんね、響…

肝心な時に支えてあげられなくて、ごめん。



好きになってしまって…

ごめんなさい…





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