JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
ごめんね、一真…


だけど忘れてなんかない。
忘れるなんてありえない。

一真を誰よりも愛してる。


首元のネックレスをぎゅっとした。



この前の月命日でもそうだったけど…
最近の中途覚醒の時間は、そんな思いで埋め尽くされる。



でも、それでも…

響が好きなの。




自覚してから、中途覚醒はますます酷くなっていた。


もしかして、一時期は治まってたそれが徐々に酷くなったのは…
私が少しずつ響に惹かれてたからで。

中途覚醒の時間は、一真と過ごす時間だから…
彼がそれを増やして、忘れないでと訴えてるんじゃないかと思った。

そして、記憶が覚醒したのもきっとそう。




〈ごめんね…

だけど誰よりも愛してる〉

いつものように、彼に届くようにと涙ながらに文字を呟く。


だけど寂しくて…

寂しくてっ…



ねぇ響、寂しいよっ…

響が傍にいないと寂しい…






そうか…


漠然とした寂しさが募ってたのは、響への想いが募ってたからで。

響がすでに私の安定剤だったからで。


いつしかそれに依存してしまってた私は…

もうひとりで泣くのが、こんなにも寂しい。


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