JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
途端、その人が「えっ」と目を丸くして。


「しないよ、浮気なんか…」

そこで言葉に詰まって、動揺した様子で口に手を当てた。


その反応は、してると言ってるようなもので…


「…じゃあなんで、狼狽えてるの?」

胸が痛みで騒めき始める。


「や…

ごめん、嬉しくてっ…」


「…は?」


「ヤバい、どーしようっ…」

勝手に1人で盛り上がり始める。


なんなの、意味がわからない…

きょとんとして見つめると。


「っ、そんなクリクリした目で見ないでよっ。
可愛すぎるっ…」


「っ、はっ?」

こっちはそんな褒め言葉で誤魔化されたくないっ。


なのに嬉しくて、戸惑ってしまう…



「やっ、ごめん。
ちょっとだけでも、俺が入るスペースがあるんだなって…

とにかく、浮気なんてするわけないから。


俺は、憧子さんだけだよ」


まっすぐにそう見つめられて。

心臓が飛び跳ねる。



私だけ…

それは身体のみの独占を意味する事だとわかっていても、嬉しくてたまらない。



「ん、私も…

響だけだから…」

同じ意味でそう見つめ返すと…


響の唇が私のそれに、温もりを移した。
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