JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
首を横に振った私に…

あたたかな言葉が紡がれる。



「一説によるとね?

何度生まれ変わっても深い繋がりを持つ、魂の仲間の事なんだけど …

親子でも友人でも恋人でも。
今自分に縁がある人は、前世でも深い縁があった人で…

出会うべくして、出会ってるらしいの。


例えば養子として出会っても、前世では本当の親子だったりするらしく。
お互いの立ち位置を変えながら、命は繰り返されて…

私達ももしかしたら、前世では本当の親子だったのかもしれないわね。


だから私は、今こうやって出会ったあなたを、本当の娘のように思ってるし…

幸せに、なってほしいの」


感極まって、嗚咽が零れた。



「あなたはもう、十分すぎるほど息子の事を愛してくれた。

だから今度は、巡り合ったその人を大切にねっ?」

そう優しく抱き包まれて…

涙が、止めどなく溢れ出す。



「ありがとうっ、お義母さん…

ありがとう、ございますっ……」




だからって、一真への愛が変わるわけじゃない。

だけど、その言葉は…


羽に変わって、私の心を驚くほど軽くした。





< 232 / 321 >

この作品をシェア

pagetop