JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
だからだろうか…

月命日の日からこの3日間は、中途覚醒もなくぐっすり眠れた。


ちょうど一週間前に、減薬の終了日を迎えていたから…

今日で一応、その後の様子見期間も終わりにしていて。




「…眠れたね」


「っ、うんっ…

眠れたっ…」


早めに仕掛けてたアラームもそのままで、どちらからともなく抱き合った。

2人して喜びを噛み締めるように、痛いくらいぎゅうっと。




ずっとこんな日を夢見ながらも…

それが訪れるとは思わなかった。




ー〈俺、何としてでも眠れない世界から連れ出すから〉ー


中途覚醒は、まだ続くかもしれないけど。


長く、長く、辛かった日々から…

薬に依存した世界から…


本当に、連れ出してくれたんだ。




「っっ…、響っ…

ありがとうっ……」


睡眠プログラムや、心配して支えてくれたその人に…
思いが詰まりすぎて、それしか言葉に出来ず涙ぐむ。


「っっ…

よく頑張ったねっ…
憧子さんっ…」

首を横に振った響も、同じ様子でそう口にした。


きっと、それほど心配してくれてたんだろう。
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