JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
途端。


「ごめんなさいっ!」

いきなり謝るちひろさん。


「っっ…!
なんで千景がっ?
っ、俺こそごめん!

謝ってすむ問題じゃないけどっ…
ほんとにごめんっ」


「ううんっ、もういいのっ…
大した事じゃなかったのに、私が混乱しちゃったせいでっ…」


「千景は悪くないっ。
混乱して当然だしっ、全部俺がっ…」


そうやってお互い自分を責め合って…

その流れで、ちひろさんから事の真相が明かされた。



その人が、彼氏である響の親友にこの事を打ち明けたのは…
混乱状態の最中、何があったのか尋問されたからで。

だけど彼氏の激昂を受けて我に返り、誰にも言わないで欲しいと固く口止めしていたらしい。


でも嫉妬からその約束は破られて…
その彼の暴走により、響を孤独に追いやってしまったと。

そして自分を想う彼の手前、どうする事も出来なかったと…

その人は泣きながら謝っていた。



「っ、俺はいいよっ。
それだけの事をしたと思ってるっ…

千景は何ひとつ、悪くない」


そう告げた響は、泣いてるその人を抱きしめているのだろうか…

身代わりの私に、いつもそうしてくれてるように。
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