JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
どうしよう…

もうこれ以上聞いていられないほど、胸が痛い。


けど2人がどうなるのか気が気じゃなくて…
この場から動けない。



当たり前だけど、響は私以上に動揺しているのだろう。

部屋に上げるわけでも、場所を変えるわけでもなく、その場で話は続けられ…


私の不安が、現実のものとして浮き彫りになっていく。



「私、ね…?

響の事は、兄妹みたいに思ってたから…
告白された時は、ものすごく驚いたし。

響を信頼してたから、その後の行動にはショックを受けた…」


「っっ…

んっ…、ごめん……」


「違うのっ、聞いて?

だけどそれで、初めて男として意識して。
だから混乱して…

今思えば、響との絶対的な関係が壊れるのが怖かったんだと思う」


絶対的な関係…

そんな関係に泣きそうな気持ちになったけど…
もし泣き声が零れてしまったら、ここにいるのがバレてしまう。


なのに追い打ち。



「でも、事を大きくしてしまって…
響に申し訳なくてっ…

それから私は、響の事ばっかり考えるようになって…
自分の気持ちがわかんなくなった。

だけど響がいなくなって、やっと気づいたの…」


いや、言わないで…
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