JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
当然響は、驚きの声を漏らして。

私は、到底敵うはずもない本命の純愛に…
この身代わりを完全に用済み宣告された気がした。



「それとねっ?
彼の事も、大丈夫だから。

今じゃいい友達で…
聞いたよっ?当時の事」


当時の事…

どうやらその彼は、響からちひろさんへの想いを聞かされてた内に…
いつしかその気持ちと同化して、響を裏切る形で付き合い始めたようだ。



「元はと言えば俺が先に裏切ったから、おあいこだよなって…

だから、響はもう何も気にしなくていい。
いつでも、帰って来ていいからねっ?」


「っっ…

っ、ありがとうっ…
ごめんっ、ありがとう……」


その声は泣いていて…

あの夕陽の笑顔や優しさの裏に抱えていた、孤独と罪悪感の深さを物語っていた。



「っ、ううん…

遅くなって、ごめんねっ?
長い間、苦しめててごめんねっ…


っ、会いたかった…」



それは、永遠の片想いが実った瞬間のようで。


決して実る事のない、私のそれを前に…

ぶわっと、やるせない感情とともに涙が溢れた。
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