JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
響はそんなに、私に変化をもたらしてくれてたんだ…

別れたばかりなのに、会いたくてたまらなくなる。



「んっ、ごめん…
愛してる。

でも一真の事を忘れたわけじゃないからっ」


「っ…
バーカ、そんな事聞いてねーよっ。

つか、あいつはおまえの事置いてったんだから、忘れられても文句言えねっつの」


「え、そーなのっ?
本気でそー思ってる?」

前は悲しげにしてたくせに。


「ったりめーだろーがっ。
生きてるおまえの幸せが、一番だっつの」

そう私の頭を、ぐしゃりと撫でた。



「秀人…

っ、ありがとう…」

その優しさに胸を打たれて、切ない気持ちで見つめると。


「っ、なんだよっ…
っ、惚れ直したかァっ?」

照れくさいのか、そう戸惑う。


「…一度も惚れた記憶がないんだけど」


「うっせーな…
とにかく!

どーゆーいきさつか知らねーけど…
そいつの事愛してんなら、頑張れよっ」


「…ううん。
愛してるから、別れたの。

彼は本当の幸せを、やっと掴めるの。
私はそれを邪魔したくないし…

一真を永遠に忘れられない私は、誰とも恋愛なんて出来ない。
その人を傷つけてしまうだけだから…」
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