JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「なーに純愛気取ってンだよっ」

おでこをツンと弾かれる。


「好きなら傷付いたっていんだよ…

っ、だいたいなァ?
傷付かない恋愛とかねーっつの。

色々あんだろ、生きてんだから」


「それは、そーだろうけど…」


「けどじゃねぇーよっ。
おまえも、そいつも、生きてんだから!

諦めるとかもったいなくねぇかァ?」


「…

ううん…
生きてるから、もういいの。

恋愛してまた失うのも怖いし…


愛する人が生きていて、そして幸せなら…
それでいい」


なにより。

死んだも同然だった私の愛を、また甦らせてくれたから。

そしてその愛は葬られるだけじゃなく、ちゃんと戻って来て…
あんなにも優しい愛をもらえたから。


もう、十分だと思ってる…



「…

じゃあもう、何も言わねぇよ…
その気持ちは、すげーよくわかるから。

まァおまえには、俺もいるし?
成美も、俺もいるんだし。
おじさんも、おばさんも、あと俺もいるんだから…
元気出せっ?」


「…なんか俺だけ多くない?」


「いんだよっ!
寂しいときは、そんだけ側にいてやるって事だから…」


相変わらず優しい秀人に、心がぎゅっと締め付けられる…
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