JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
でも会いたくて…



響と別れて約2週間が過ぎた、6月の第2日曜日。


今まで心配をかけた分、しばらくしてなかった父の日のプレゼントを買おうと街に出て…

この前プレオープンを迎えた、響が働く新店舗にも足を伸ばした。


もちろん直接会うわけじゃなく、近くから店内を覗くだけ。

今日が雨でよかったと、傘を深くさしながら…
待ち合わせを装って、響の姿を探すと。


突然その人が、お客さんのお見送りで店先に現れた。


心臓が飛び跳ねて、とっさに背を向けるも。

辺りの喧騒に紛れて、響の柔らかな声が鼓膜をかすめて…

その姿をそうっと覗いた。


瞬間。

その笑顔が食い込むように、胸がぎゅうっと掴まれる。



少し痩せてはいたけど、その人は生き生きと輝いてるように見えて…

ちひろさんと、うまくいったのだろう。


それは、この胸が張り裂けそうなほど切ないけれど…



彼女との夢に近づくその店で、頑張ってる響を背に。

私も一歩踏み出した。



愛する人が生きていて、そして頑張ってる姿は…

私にも、生きる力を与えてくれる。
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