JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
頑張ってね、響…

私もゆっくり、明日に向かって頑張ろう。



そうして、響の視界から立ち去ったのと同時。

その人が何かを求めるように、辺りをクルリと見渡した事を…

私は知らずに。



帰路に向けてパーキングに向かう途中。

さっき通った時は緊張してて気づかなかった、アジアン雑貨店が目に映る。


母の日は終わったけど、父の日同様ここ数年は何もしてなくて…

アジアン雑貨にはまってる母さんにも、何かプレゼントを買おうと思った。


そこは、他の同系統店にないような珍しい商品が並んでて…

その人が好きそうな、夏に向けてぴったりのバッグを選ぶと。


レジの傍で、一風変わった木の皮の和紙を見つけた。


今まで見て来たその類のものと違って、かなり粗くすかれたそれは…

そのまま木の皮が混ざったムラのある厚みと、大小無数の変則でいびつな裂け目で織り成され。


ランプシェードに取り入れたらきっと、幻想的な光と翳りを創り出すだろう。

そう思ってふと。


イメージが、あの夕陽海岸に結びつく。
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