JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
高い天井から、ペンダントライトで夕陽のワインレッドを広げて…

ブラケットライトで、ロゼとラベンダーを散りばめて…


干渉し合う光たち。

そして、その翳りが干潟をかたどる。


それらの配列や光量・光質のバランスが、瞬く間に頭の中でデザインされて…


途端、ドクンと。

心臓が再び、目醒めの音を奏でた。



私、今…

照明の事を考えてた…



信じられない現状に、強く動揺しながらも。

解き放たれたように溢れ出す、情熱。


懐かしい感覚と、例えようのない感情で埋め尽くされた胸が…

一気に弾けて、涙に変わる。


私はやっぱり、この世界から離れられない。



そう、私の魂が…

色を、光を、その織りなす世界を愛してる。




ー「向き合えない時間も、必要な時間で。
それにもきっと、意味があるんだよ」ー


響の言葉が頭に浮かんで…

いっそう涙が煽られる。



うん、そうだねっ…

向き合えない時間があったからこそ。
その間に、心が情熱を受け入れられるほど回復出来て。

そして自分から切り離せない世界だと、確信出来たんだ。
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