JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
ぶわっと、涙が一気に溢れた。


今までの悲しみや苦しみまで、全部…

全部受け止められた気がした。



「っっ、ううんっ…

響はいつだって、誰よりもこの心に寄り添って…
受け止めてくれてたっ…」


「でも俺っ、もっとちゃんと受け止めたいんだっ…

憧子さんは生きてるから、
俺の愛してるあなたは生きてるからっ…

だから諦めたくないと思ったし…
どうしても諦められなかったっ。


だけど気持ちは一生隠すつもりだったから、まだ彼氏のつもりだって言い張って…

結局バレたけど。
俺、永遠に身代わりでいいから傍にいたい。

また一緒に暮らしたいって意味じゃなくて、たまに会えるだけでいい。

俺の気持ちなんか全然気にしなくていいし、ずっと一真さんだけを想ってていい。


ただ、憧子さんを守りたいっ……」



響の痛々しいほどまっすぐな愛が、この胸に突き刺さる。



愛してる人にそこまで思われて…
でも愛してる人にそんな思いをさせて…

切なくて、苦しくて。


だけど愛しくてたまらないっ…
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