JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「響には幸せになってほしかったのにっ…
どうして報われない愛を選ぶのっ?」


「どうしてって…
愛って報われなくても、どうしょうもなく募るもんじゃないっ?

それは、憧子さんが一番よくわかってるはずだけど」


そう言われて、ハッとする。



確かにそうだ。

響に対してもそうだったし…


そうやって私は、一真に永遠の片想いをして来て…
それは周りがどんなに前を向かせようとしても、苦しいだけで変わらなかった。




「ん…

私はきっと、一生一真を愛してる」



「…

うん、それでも…
俺は一生憧子さんを愛してる」



瞬間、想いが弾けて。

どっ、と涙腺が崩壊を起こした。



響を苦しめたくない気持ちと、
心にくすぶってた恋愛への怖さも押し退けて…

気持ちがもう抑えられないーーー




「っっ、ごめんっ……」


「っ…

ダメって、事…?」


「そうじゃないっ…

響を、1番に愛せなくてごめんねっ…」


愛は変化する、と。
私の幸せを願ってる、と。

そんな言葉をくれたお義母さんの気持ちを、無駄にしてるわけじゃない。

ただ、それにはきっと時間が必要で…
< 278 / 321 >

この作品をシェア

pagetop