JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「っ、そんなのいいよっ、俺の事は全然っ…」


響はそう答えたところで一瞬固まって。

すぐに「えっ」と、混乱の反応を示した。


1番に愛せなくては、1番じゃなくても愛してるのを意味してて…



「私も…

響の事を、愛してるっ…」


溢れた想いを、涙まみれで打ち明けると。

途端、その人の時間が停止した。



それから混乱を増して、かなりの動揺を見せたあと。
じわじわと実感の様子をあらわして…


「ヤバい俺…
どーしよう、嬉しすぎてっ…

ごめんっ、一生片思いだと思ってたから…

ヤバい…


どうにかなりそうなくらい嬉しいっ…」


そう涙を滲ませた。



無償に愛しさが込み上げてきて…

その人をぎゅっと抱きしめると、すぐに力強く抱き返される。



「愛してるよ憧子さんっ……

ずっと俺が守るからっ…
ずっと一緒にいようっ?」


「んっ…
ずっと響と、一緒にいたいっ…

だけどっ、私といて苦しくないのっ?」


「憧子さんといられない事の方が、数倍苦しいっ。

それに、どれだけ苦しくても。
憧子さんの苦しみを、一緒に背負えてるような気がして…

それならいいって思うんだ」
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