JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
だけど少し、新たな夢に不安がよぎる…

一度そんな夢を失った私は、また失うのが怖いのだ。









「なぁ憧子。
俺もっともっと勉強して、世界一幸せなマイホームを設計するからさっ。
憧子はそれに、世界一幸せな照明をよろしくなっ?」


「それスケール大きすぎなうえに、難しすぎるんだけどっ」


「あれ、そんな弱気っ?
夢も目標も、志が大事なんだって!」


「まぁ、確かに…

うん、いつかそんな家に住みたいねっ」


「住みたいじゃなくて、住もうなっ?」









「起こすよ?憧子さん。

…憧子さん?」


そう覗き込まれて、ハッとする。


タオルドライを終えてた響に、「ごめんっ、ありがとう」と取り繕いながらも…

胸の痛みを引き摺ってると。


叶えられなくなった夢を知ってるその人は、私の気持ちを察してくれたのだろう。


起こした身体が、横からふわりと。
その体温に守られて…

気持ちがぶわっと、溢れ出す。



「っ、お願いっ…

響はいなくならないでっ……」


「っっ…

いなくならないよっ?
ずっと憧子さんを守り抜く。

たとえ絶対がなくても、俺は魂になっても傍にいるっ」
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