JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
最愛の彼を亡くしてから、3年。

私はそのSNSの片隅に…
ささやかな心の居場所を見つけた気がしてた。


だからって、楽しいわけない。



「別に」

声を尖らせて返事をすると、フイと彼女から顔を背けた。


途端。

2席挟んだ隣の客が、逆さにした煙草の箱をトトンと。
カウンターに打ち付ける姿が視界に飛び込む。


瞬間ズキッと胸が痛んで、思わずキュッと唇を結んだ。


それは彼が生前していた、煙草の葉を詰める癖で。
私は同じ癖を見かけるたびに…

もう何度、この胸を貫かれただろう。



もちろん、胸を貫く思い出たちは他にも至る所に溢れてて…

むしろ、自らそれを辿ってた。



3年経った今でも…
悲しくて、生き苦しい日々は続いてて。

たまに全部投げ出したくなる。




そんな私を気にもせず。


「オススメはぁ~、まずはこの面白動画のアカウント!
ほら見てっ、この二足歩行の猫ヤバくないっ!?」

別にの返事を覆すべく、ツイッターの楽しさをアピールし始めてた成美。
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