JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
だけど、思い詰めるなとか頑張れじゃどうにもならなくて…
自分の意志じゃどうにもならなくてっ…

わかってもらえないどころか、家族まで苦しみの道づれにしてしまう。


そんな辛い思いが…

辛いねって受け止め先を見つけて、零れ出してしまってた。



ふいに。

穏やかな温もりに包まれる。



その人は…

見て見ぬフリしたり、変に気を回したりするわけじゃなく。
下手に諭したり、無理に励ましたりするわけでもなく。

ただそっと、私の心に寄り添ってくれた。



そしてふわり。

優しく髪が撫でられて…


思わず、その人にしがみついた。




撫でて欲しいのはこの手じゃない。

だけど、それでも…
あったかい。




だからって。


「ありがとうっ…
もう大丈夫だからっ、響は眠って?」


「…

うん。
でももう少し、一緒にいていい?」


「…ごめん。
1人にしてくれる?」


ずっと慰められるのは好きじゃない。
だって、泣き止まないといけなくなるから。


それに気が済むまで泣くと…
泣き疲れるのか、少し眠れたりする。





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