JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
それはまるで、絶望の波から守る防波堤のようで…


心が、ほろっと弛んで寄りかかる。



響と過ごす、この逃げ場がなければ…
もう限界だと、とっくにこの世界から逃げ出していたかもしれない。

ふと、そんなふうに思った。



「っ、ありがとうっ…

でも私、食欲ないから…
響だけ買って来て?」


「…

うん。でもその前に…
何があったか、聞いてもいい?」


そうやって…
優しく気にかけてくれるのは嬉しい。

なにより。
響ならきっと、無駄な深入りはせずに…
私の心に、ただ寄り添ってくれると思った。



「…

うんっ…
ちょっと、拒絶されちゃって…」


「…

っ、そっか。
やり切れないね…

その気持ち、わかるよ…」


「…、わかる?」

思わぬ軽薄な反応に、気持ちが少し逆撫でされる。



「ん…

俺、大好きな人に拒絶されて、嫌われたからさ…
拒絶された時のショックとか、悲しくてやり切れない気持ちは、よくわかるよ…」
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