JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
生き地獄…
私も今そこにいる。


それでも生きてるだけで救われると、周りから言われれば…

勝手だと思っただろう。


でもだからって。
本当に会えない私は、そんな理屈的な会えないが腹立たしくて…

ただ顔を歪めると。



「ごめん、ちょっと…
頭冷やしてくる。

あと、弁当も…」

片手で額を覆うようにした響が、そう告げて部屋を出た。


思わず悔し涙が零れて…
即座に私は、荷物をまとめ始めた。

ここにはもういられない気持ちになったし、いたくなかった。



やっぱり誰もわかってくれない。
そもそも、わかるはずなんてないんだけど…

この1カ月半を通して、響は違うんじゃないかって気がしてたのにっ…




少ない荷物はすぐにまとまって。
お世話になりました、と書き置きを残すと。

合鍵をドアポストに入れて、マンションを後にした。



でも親元には帰りたくなくて…
かといって行く当てなんかなくて…


行きたい所は、ただひとつ。
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