JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「なんか、言ってた?」


「特に…

あっでも!
1ヶ月くらい前に、家出の事は相談されたよ?

なんか、すっごく心配だったみたいでさっ。
変な事考えてるんじゃないかって、徹夜で探し回ったらしいよ?」


「えっ…

そう、なんだ…」

胸に、さらなる痛みが追い打ちされる。


「まぁでも。
荷物を持ってった状況だったのと、仕事にはちゃんと出てたからって、ひとまず安心したみたいだけど」



ごめん、秀人…

だけどね?
その心配が、逆に私を追い詰めるの。


なるべく涙を我慢しなきゃって。
うまく悲しみを隠さなきゃって。
もう平気なふりをしなきゃって。

とっくに限界なのに…
もっと立ち直らなきゃって。



そんな重すぎるプレッシャーに、思わず顔を歪めると。


「それよりさっ、聞いてくれるぅ!?」



それより…

私の苦しみなんかよりと切り替えられた話は、今日起きた仕事の愚痴で。



あぁ、そうか…

彼女は深く干渉しないんじゃない。
ただ私の事なんか、どうでもいいのだ。
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