JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「っ、でもちゃんと書き置きしたしっ…
もう彼女のつもり、ないんだけど?」


「でもちゃんとさよならしてないし…
俺はまだ、彼氏のつもりなんだけど?」


その優しい屁理屈に、心がジンと温められる。



「っ、だからってあんな助け方…
ケンカ強いの?」


「まさかっ。
すんなり引き上げてくれて助かったよ」


「…じゃあもしケンカになってたら、どーするつもりだったの?」


「そーなったら覚悟を決めて…
全力で返り討ちに遭うよっ」

そう笑う響に…


ふっと、気持ちが和まされた。




「それより…
さっきはごめん。

憧子さんの気持ち考えたら、俺なんか甘えてるって思った。
ただ彼女の気持ち考えたら、今はやっぱり会えないけど…

それでも、いつかはって。
だから…

ごめん。
気付かせてくれてありがとう」



ありがとう、だなんて…

私は響の気持ちなんか考えもせずに、自分目線で勝手な事を言ったのに。



「っ…

私こそ、ごめんなさい…」


「…

憧子さんは、全然悪くないよっ」

しゅんと俯いた私の頭を、ぽんぽんとする響。
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