JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「別に頑張らなくていいんだよ。
無理しなくて、いいんだよ。

そいつは突然やって来るから。
必ずいつか、やって来るから。

それまで甘えとけばいいんだよ。
せっかく俺がいるんだし?

悲しい気持ちも、辛い思いも…
溜め込んだらパンパンになって、苦しくなるからさっ。

いっぱい泣いて、いっぱい吐き出そう?

俺、聞くくらいしか出来ないけど…
いくらでも聞くよ?

憧子さんが泣き疲れるくらい、
話し疲れるくらい聞くよ?」



ガチガチに強張ってた心が…

ぎゅうっと、揉みほぐされてくようだった。



「っっ…

ありがとうっ…」






響は…

この深い悲しみの先に、明かりだけ照らして。
今の私を、ただ受け入れてくれた。




受け入れられる事で…

人は一歩、また一歩と。
進んで、変化していけるじゃないかと…

ふと思った。


それはきっと。
ごく自然に、ゆるやかに…

そして、ある日ふいに。



私もそうなれるのだろうか。
< 71 / 321 >

この作品をシェア

pagetop