JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「ねぇ、目をつぶらなくてよかったの?」
帰り道、さっきそうした付近で尋ねると。
「あぁごめん、それサプライズのための嘘なんだ」
「そーなのっ?
すごく気になってたのに…」
「ごめん、でもバレバレな嘘だと思ってた。
だって普通、こんなとこに見られたくない場所なんかなくない?」
言われてみれば…
何もないただの田舎道だった。
「っ、さーね」
単純さをごまかすように強がると。
それを笑われる…
「憧子さんって基本素直だよねっ、これに限らず」
「…バカにしてる?」
「や、いい意味でっ」
そう笑う夕陽の笑顔は…
心をゆるやかに照らすよう。
そしてまた、ふと気付く。
「響の髪色って、あの夕陽の影響?」
「そうっ、単純だけど」
「…
でも、すごく綺麗…」
さっきの夕陽とリンクして、思わずその髪に触れて目を細めた。
「…っ、また行こう?
一緒に」
「…うん。
また連れて来て?」
夕陽を名残惜しく思いながらも…
声にして思いを吐き出せたからだろうか。
なんだか胸が、スッキリしていた。