JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
そしてバツが悪そうな笑顔で、「不純な動機でしょ?」と締めくくる。



「…ううん、不純なんかじゃない。

好きな何かが原動力になるのは、当然の事だし…
素敵だと思う」


「っ…

ありがとうっ…

まぁ今じゃ、思いっきりこの仕事を愛してるんだけどねっ」


「ん…
見ててわかる」

そう言うと、響は…

少し驚いた顔を覗かして、嬉しそうに笑った。



「ねぇ、どんな人なの?
ちひろさん」

響の原動力となったその人が、少し気になる。


「んん…

1コ下なんだけど、しっかりしてて。
そのくせ変なとこ天然で、可愛くて。

強くて、清らかで…

俺の元親友と付き合ってて、そいつを一途に愛してるコ」


もう他の人のものなんだ…
それも自分の親友の。



「…

やり、切れないね…
しかも幼馴染みだから、なおさら忘れられないね…」


なんて言葉をかければいいのかと、そんな事しか口に出来ず。


「…うん、ずっと好きだと思う。

たぶんこの先も、千景以外愛せないんじゃないかなって」

そう返されて。


なぜだか少し寂しい気がした…

私だって、それは同じなのに。
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