JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「そっか…

そんな状況で最後までやってたら、最低だったけど…」


「っ、最後までやってなくても最低だよっ。

重要なのはどこまでじゃなくて、相手がどれだけ傷付いたかだから…

もしかしたらトラウマになって、今でも苦しんでるかもしれないっ…」

そう片手で頭を抱えて、うなだれた。


だから生き地獄って…



「…

まぁ確かに、無理やりなのは最低だけど…

でも。


それでも私は、響の味方だから」


そう受け入れると。
その人は…

驚きを滲ませた瞳で、ゆっくりと私を映した。



「響だって、私の味方なんでしょ?

それに。
感情がつい暴走しちゃう事なんて、人間なら誰でもある。
私もそう…

でも響は途中でそれを止めたし。
ちゃんと後悔して、反省して…

傷付いてる」

きっと誰よりも。


哀愁を感じたその笑顔は、その心を物語ってて。

傷つけて、酷く苦しんだ響だから…
人の心に寄り添えるんだと思った。


「だから私は、そんな響の味方だから」
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