JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「出掛けるの?」

朝食を用意していた響に声かけられる。


「うん、まぁ」


「…

言ってくれれば、俺がどこでも連れてったのに」


「…ううん。
ただの、付き合いみたいなものだから。

あ、夕食までには帰るから」



そうして。
朝食の、バナナとクリームチーズのクラッカーを食べて…

出掛ける用意をしていると。


いつもは玄関でされるキスガムが、ふいに始まって…

しかも今日は唇の愛撫が長くて、いつまでたってもガムが移されない。



「っ、ねぇっ…
ガム、はっ…?」


「…

あっ、忘れてた…
待ってて」


忘れてた?
性癖、なのに?

なにか考え事でもしてたんだろうか…



それから、キスガムのリベンジと用意を終えると。

家を出ようとしたところで引き止められて…


「今日すごく寒いからしてってよ」

そうマフラーを巻かれた。


別にドライブだから必要ないけど、巻かれたものを取るのも気が引けて。



「…ありがとう」

響の温もりに包まれながら、待ち合わせ場所に向かった。


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