JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
終盤、無理すんなって言われたけど…
秀人は私にお金を出させてくれないから、奢りでこんな高価なものを残すわけにはいかないし。

なにより、あまりの美味しさに食が進んで…
無理なく完食する事が出来た。


とはいっても、食後の満腹感はとてつもなかったけど。




それから、さらに隣県の奥地まで…
ハイテンションな秀人とのドライブは続き。


海沿いを走ってると、興味をそそられるものが映り込む。

それを眺めながら…


行き着いた先では、水仙まつりが催されてるようで。

嫌な予感がした。


「よしっ!行ってみるぞ憧子っ」

そして的中。
イベント事が好きなこの男が見逃すわけがない。


ここまで運転して来た本人が行きたいのなら、それを汲んであげたいし…

ため息をついて、車を降りると。

ふわり、水仙の香りが漂った。



そしてその先の小高い丘では…

潮風に混じって、溢れるほどの甘く清涼な香りに包まれる。



海の青を背景に辺り一面に広がる、約一千万という白い妖精達が風と戯れる姿は…

さっきと別のため息が、尽きないくらい美景で。
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