JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
見惚れながら歩いてたら、階段を踏み外してよろけてしまった。


「大丈夫かっ?」

とっさに秀人が腕を掴んで、支えてくれたけど…
危なっかしいと思われたのか、その流れで手まで繋がれてしまう。


子供じゃないんだし、違和感を感じて離してもらおうとした矢先。
それを遮るかのように、話題が切り替えられる。


「っ寒くないか?」


「え…うん」


響のマフラーのおかげで寒くない気がして…
思わずそれをキュッと掴んだ。

もうセミナーは終わったのだろうか。




そうして、登った場所では…

さっき海沿いから眺めてた興味をそそられるものが、ベストポジションで露われて。


2人してその、孤高に壮厳と佇む無人島に圧倒された。



のも、わずか。
すぐに興奮して、はしゃぎ出す秀人。


「憧子っ、写メ撮るぞっ」


「何言ってんの。
私は撮らないってわかってるでしょ?

ほら、撮ってあげるから携帯貸して?」


私はもう、一真以外と思い出を映像に残すつもりはない。
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