JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
そして帰り道で、またしても嫌な予感。


「よしっ、シメに角煮まん食うぞっ」

ここまでの道のりで、その看板を目にして…
角煮好きなこの男がそれを見逃すわけがないと思ってた。


シメなんだからと付き合わされ、満腹感収まらぬ状況で口にしたそれは…

ジューシーな肉汁とコクのある角煮タレが、ふわふわのおまんじゅうの皮に溶け込んだ、とろける味わいで。


ほんとに美味しかったけど…

今日はもう夕食を食べれそうになくて、響の分だけ作ろうと思った。




そんな、高速に向かう最中。

明かりの少ない、寂れた細い街道が映り込む。


なぜだかその情景に、無性に寂しさを煽られて…

どこかに帰りたくなる。


帰りたい場所なんか、もうないのに。



それはあんなにも眩しくて、キラキラ輝いてた愛の場所。




だけどふと。

切ない胸中をなぞって、あのロゼワインの切ない明かりが思い出される。


なんだか…

あの夕陽の世界にも、帰りたいような気がした。


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