ifの奇跡
駅前にあるカフェに入った私たち。

店内に入ると、すぐに化粧室に向かった。

鏡に映る私は、もう涙は出ていなかったけど化粧が半分崩れ落ちていてひどい顔だった。

持っていた化粧ポーチからファンデーションを取り出し、化粧直しをして冬吾の待つ席へと向かった。


「…ゴメンね。」

「だから、もう謝罪は何度も聞いたよ。」


彼が困ったように笑いながら言う。


「…そうだね。」


冬吾が頼んでくれていたカフェオレとコーヒーが運ばれてきた。


「それで良かった?」

「うん、ありがとう」


ブラックを一口飲んだ冬吾がカップを置いて私の方に顔を向けた。


「聞きたい事はたくさんあるんだけど…今は東京にいるの?」

「…うん」

「いつから?」

「2週間前から…」
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