ifの奇跡
突然バックから聞こえたバイブ音に画面を見ると、そこには信志さんの名前が。


「旦那から…電話?」

「うん…」

「出ないの?」

「後で、掛け直す。」

「ふーん…」


暫くして諦めたのか彼からの着信音が消えた。

そして代わりに冬吾が口を開いた。


「俺、トイレに行ってくるからさ、その間に旦那に電話しときなよ。心配してんじゃないの?」


心配なんて……公園でキスをしていた2人が頭に浮かんできた。

だけど、このまま無視もできない。

冬吾がトイレに行った後、信志さんの携帯に電話をかけた。


「莉子?今どこにいるの?」


私の居場所を確認する彼に


「ごめんなさい。まだ美沙と一緒で、もう少ししたら帰ろうかと…。」

「いや、良いよ急がなくても。電話したのは」

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