ifの奇跡
「うぅ……頭痛いし、喉がカラカラ……。」


私を襲うこの酷い二日酔いと、喉の渇きに今日は久しぶりに最悪の目覚めになった。


「昨日は飲みすぎた?…ていうか私どうやって帰ってきた?」


抱えていた頭を膝から起こし、見回した部屋は私の部屋じゃ…なかった。

ここって、…ホテル?

ハッとして隣に目をやると

なんだかシーツが盛り上がっていて…少しだけ誰かの髪の毛が見えていた。

まさか……と思って、そうっとシーツをめくって見たけれど……着ていた。


…下着…だけ……。


ベッドの上から目線だけを動かすと、ソファの上にかけられていた自分の服が目に入る。

並ぶように彼の服も一緒に………。

冬吾としてない自信は………ある。

全く綺麗さっぱり記憶はないけど、体は何もなかったと言っている。

気がした……

隣で眠っているはずの冬吾がモゾモゾと動きだし、冬吾の腕が私の腰にからみついてきた……。






< 137 / 151 >

この作品をシェア

pagetop