ifの奇跡
あれからヨリを戻した私達は、付き合っている。

週末にはこうして冬吾が私の家に来ることが増えた。

でも先週末から出張でしばらく東京にいなかった冬吾と会うのは2週間ぶり。

今まで、会えなかった数年間を思うと2週間なんてあっという間……と言いたいところだけど、やっぱり寂しいものは寂しい。


今でも、こうして冬吾と一緒に晩御飯を食べたりしてても不思議な気持ちになる時がある。

そして、その度にこうしてまた一緒にいられるこの奇跡に感謝する。


「莉子、明日は天気も良さそうだし久しぶりにドライブにでも行かない？」


天気予報を見ていた冬吾がそう切り出した。


「うん行きたい。」

「じゃあ、明日は車で迎えに来るから。」

「うん。…でも今日は帰っちゃうって事？」


最近は泊まっていくことが多かったから、そう聞いた声につい寂しさが混じってしまった。


「俺がいないと寂しい？」


彼が口角をあげながら意地悪な質問をぶつける。

だけど私も最近は意地を張らずにちゃんと素直な気持ちを伝えようと努力なんかもしていて…


「…うん。」


勇気を出してそう答えた。
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