ifの奇跡
「ありがとう。お風呂と服はお言葉に甘えて借りるね。だけど…下着は買ってきてもらうのは悪いから…私も一緒に行っていい?」

「いいけど…遠慮しなくていいのに。」

「遠慮なんてしてない…ただ嫌なだけだよ。男1人でコンビニで女性の下着を買うなんて…なんだか…こんな状況に慣れてるみたいでヤダ…。」


またヤキモチ焼いてると思われたかもしれないけど、止められなかった。


「莉子ちゃんって…案外素直で可愛いのな。」


こっちはヤキモキしてるのに当の本人は、いつもは呼び捨てなのにちゃん付けなんかで呼んじゃって…。

しかも嬉しそうに顔を緩ませ満足そうな顔をして私を見ていた。


「別に慣れてるわけじゃねぇよ。今までそんなんした事ねぇし。」

「ウソ…。」

「ホントだって。だから信じて。」

「…ふーん、ま、どっちでもいいけど………。」


最後は、また素直になりきれないいつもの私が顔を出してしまった。

キッチンからは、そんな私に対してククッと笑う冬吾の声。


結局、お風呂を沸かしている間に2人でマンションの目の前にあるさっきとは違うコンビニに下着を買いに行った。

ここでも、手を繋いできた冬吾が甘すぎて……私はやっぱりその甘さにドロドロに溶かされそうになっていた。




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