ifの奇跡
駅近くの美味しいラーメン屋さんで晩御飯を食べた私たちは2人ともニンニクの匂いをプンプンさせながら帰って来た。

ヤバイ…。明日もまだ仕事なのに…調子に乗って餃子を食べ過ぎた。

だってあそこの餃子美味しいんだもん…。


家の手前にあるコンビニで “ニンニク料理のその後で ”

そんな言葉が売り文句の商品を手に取り、ミネラルウォーターもカゴに入れると冬吾がいつもの私たちが飲むお酒を数本入れカゴごとレジへと持って行ってしまった。

今日は冬吾と話もしなきゃいけないしお酒は飲まないつもりだったんだけどな。


とりあえず、2人とも先にお風呂に入ってから話を切り出すことにした。


お風呂上がりの冬吾が冷蔵庫からビールと、私にはチューハイを持ってきてくれた。

ソファに腰を下ろし、プルトップを開けた音が聞こえた。


「莉子…とりあえず今日も一日お疲れ様。」

「う、ん。冬吾もお疲れ様…。」


折角買ってくれたチューハイを開け、ほんの一口だけ口に含み喉を潤した。


「…と……冬吾っ！あのね…大事な話があって……。」


喉を潤したばかりなのに、たったこれだけのセリフを言うだけでも既に喉が乾いてくる。

私の言葉にこっちを向いたのが気配で感じたけど、私は下を向いた目線を上げることも…彼を見ることもできなかった。

目をギュッとつぶり、手にも力が入っていた私は…後は勢いのまま口を開いた。





「…………………。」
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