ifの奇跡
全てを一気に話し終えた私は…何の反応もない冬吾の様子が気になり恐る恐る目を開いた。
目に力を入れ過ぎていたからか…目を開けた時、部屋の明かりがひどく眩しくて軽い目眩すら感じた。
その時、自分が話している間もずっと目を閉じたままだった事に…初めて気がついた。
だから話している途中、彼がどんな表情で私の話を聞いていたのか気づかなかった。
「…………いつ決めたの?何で……俺に言ってくれなかった?」
今までに聞いたことのないような冬吾の悲しそうな声だった…。
「…決めたのは週末に実家に帰って母に会った時。冬吾には……何も相談せずに1人で決めてごめんなさい。」
「俺は、実家に帰る事を責めてるわけじゃないよ。病気のお母さんを1人にできない莉子の気持ちも理解してる。だけど、そんなに大事な話を事後報告として聞きたくなかった。俺って…莉子が辛い思いして悩んでる時に支えることもできないの?頼りにならない?…そんな自分が情けないよ…。」
そう言って辛そうに頭を抱え込んでしまった。
「ごめん…ごめんなさい冬吾の気持ち考えられなかった。でも私はいつも冬吾の存在に支えられてるよ…だからそんな風に思わないで。お願…い。」
泣きながら、冬吾にそう訴えた。
「それに今回はお姉ちゃんにも何も言わずに1人で決めたの。誰かに言っちゃうと決心が揺らぎそうだったから…実家から戻った次の日の朝一番に課長に話してその日に退職願を受理してもらったの。冬吾に言えなかったのは……やっぱりあなたと離れるのが辛かったから…。だけど、やっぱりちゃんと話すべきだったよね…。本当にごめんなさい……。」
「俺も言い過ぎた…ごめん。一番辛くて苦しいのは莉子なのにな…責めるような事言って本当ごめん。」
まだ顔は見せてはくれなかったけど、少しだけ顔を上にあげた冬吾がそう言って、大きく息を吐いた。
「俺もできる事は協力するから…1人で無理だけはすんなよ。莉子はすぐに我慢して1人で溜め込むから。それが一番心配なんだよ…。」
そんな言葉を言ってもらえるとは思ってなくて、嬉しくてまた涙がこぼれた。
目に力を入れ過ぎていたからか…目を開けた時、部屋の明かりがひどく眩しくて軽い目眩すら感じた。
その時、自分が話している間もずっと目を閉じたままだった事に…初めて気がついた。
だから話している途中、彼がどんな表情で私の話を聞いていたのか気づかなかった。
「…………いつ決めたの?何で……俺に言ってくれなかった?」
今までに聞いたことのないような冬吾の悲しそうな声だった…。
「…決めたのは週末に実家に帰って母に会った時。冬吾には……何も相談せずに1人で決めてごめんなさい。」
「俺は、実家に帰る事を責めてるわけじゃないよ。病気のお母さんを1人にできない莉子の気持ちも理解してる。だけど、そんなに大事な話を事後報告として聞きたくなかった。俺って…莉子が辛い思いして悩んでる時に支えることもできないの?頼りにならない?…そんな自分が情けないよ…。」
そう言って辛そうに頭を抱え込んでしまった。
「ごめん…ごめんなさい冬吾の気持ち考えられなかった。でも私はいつも冬吾の存在に支えられてるよ…だからそんな風に思わないで。お願…い。」
泣きながら、冬吾にそう訴えた。
「それに今回はお姉ちゃんにも何も言わずに1人で決めたの。誰かに言っちゃうと決心が揺らぎそうだったから…実家から戻った次の日の朝一番に課長に話してその日に退職願を受理してもらったの。冬吾に言えなかったのは……やっぱりあなたと離れるのが辛かったから…。だけど、やっぱりちゃんと話すべきだったよね…。本当にごめんなさい……。」
「俺も言い過ぎた…ごめん。一番辛くて苦しいのは莉子なのにな…責めるような事言って本当ごめん。」
まだ顔は見せてはくれなかったけど、少しだけ顔を上にあげた冬吾がそう言って、大きく息を吐いた。
「俺もできる事は協力するから…1人で無理だけはすんなよ。莉子はすぐに我慢して1人で溜め込むから。それが一番心配なんだよ…。」
そんな言葉を言ってもらえるとは思ってなくて、嬉しくてまた涙がこぼれた。