ifの奇跡
その夜はほとんど眠ることが出来なかった…。

いつもは朝の面会が始まるまでに、ある程度の家事を済ませて母のところに行くのが日課だったのに。

今日はほとんど眠れていないせいか、体がだるくて布団から出られなかった。

そしていつの間にか眠っていた私が…次に目が覚めた時にはお昼前になっていた。

朝よりかは幾分マシになっただるい体を無理やり起こし、洗面台で自分の顔を見た時、鏡に映る自分の顔色があまりにも青白くてビックリした。

今日のお見舞いはやめておこうかな…。

こんな顔で行っても母に余計な心配をかけてしまうだけかもしれない。

そう思って母に今日は友達との約束があるから行けないとメールを入れた。


メールを入れた後、食欲もあまりなかったので冷蔵庫からヨーグルトだけを取り出しお腹に入れた。


ただの生理不順だと…無理やり思い込まそうとしていた。

だけど、やっぱり無理で…もし万が一そうだったら。

そう考えただけで怖かった…。


誰にも相談できない…。それがとても辛かった…


気づくと、リビングのソファで頭を抱え座ったままかなりの時間が経っていだことに気づく。

このままじゃいけないのはよく分かっている。

最後の生理が2月末だったとすれば、それからもう2ヶ月が経っているのだから…。








そして今私は…手に持ったスティックにくっきりと浮かんだ2本のラインを眺めていた。
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