ifの奇跡
私もどちらかと言うと、喋るのが好きでくだらない事でも2人で盛り上がりいつも笑っていた気がする。

楽しい人が多かった気がする。

だけど今回は始まりが職場の先輩だったからか…相手がクールな人だったのもあり素の自分を見せられなかった気がする。

だけど、それでも私たちは一応は順調に付き合いを続けていた。


日が経つにつれ、クールな仮面も剥がれ知らなかった一面も知るようになった。

いわゆるあっち方面も淡々とした淡白な感じなのかと思っていたけど、そうでもなかったから。

そこが彼の一番、意外な一面だった…。


そして、彼にプロポーズをされた私はお付き合い歴たった3ヶ月で彼との結婚を決めた。

披露宴はあげずに、親族だけの簡単な式をあげた。


ウェディングドレスを着た私の正面に立ったタキシード姿の男性は、ベールを持ち上げると私の唇に触れるだけのキスを落とした。

目を開けると、そこにはいつものクールな彼ではなく、クールな仮面が剥がれた優しい笑顔の彼がいた。

初めて見たかもしれない彼の嬉しそうなその笑顔に…胸が小さく音を立てた。


その日は母も特別に外出をさせてもらっていた。

母の隣には、看護師をしている親友の恵子がいてくれていた。

そして、美沙も…来てくれた。

美沙とは数年ぶりの再会だった。
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