ifの奇跡
美沙は今は哲平君とは違う人と付き合っているみたいだけど、仕事の関係で時々哲平君とも会うらしく飲みにいく事もあると言っていた。

だから、冬吾のことも何か聞いていたかもしれない。

色々、聞きたいことや言いたいことはお互いにあったはずなのに美沙は何も聞かなかった。


ただ、久しぶりに会えた親友と抱き合い声を出して泣いた私を優しく抱きしめてくれていた。

その包み込んでくれていた美沙の温もりは、昔と何も変わらなかった。


美沙には何も言わなくても私の気持ちは全て分かっていたのかもしれない…。

もしかしたら私以上に……。





それからしばらくして母は安心したように眠るようにこの世を去った。
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