ifの奇跡
時間をかけて全身を這っていく彼からの執拗なキスに

もしかしたら、彼は私を愛しているんだろうか…?そんな考えが頭に浮かぶ。

完全に彼女とも切れていて、今はもう私だけ…を見てくれているんだろうか?

だけどもしそうだとしたら、なぜ彼は私にキスをしてくれないんだろう?

毎日のように彼に抱かれ、跡をつけられているのに…。


「莉子…」


上を見上げると、眉根を寄せて切なそうに私を見つめる彼の瞳とがあって…私も彼の名前を呼び返した。


「信志さん…っ」


キスして……って言いたかったけど、拒絶されるのがやっぱり怖くて言えなかった。

彼はいつからキスをしてくれなくなった?

もう思い出すこともできない……。

だけど、体中には彼のキスの跡が今日も生々しく残されていく…。

これは、独占欲の印なの…?ねぇ、信志さん…そう思ってもいいの……
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