ifの奇跡
私服に着替えた彼が部屋から出てきた。


「もう行くの?」

「いや、まだ早いから…あと30分後くらいかな。」

「そうなの?じゃあコーヒーでも入れようか?」

「うん、ありがとう。」

「じゃ、ちょっと待っててね。」


ケトルに水を入れスイッチを入れた。


「君こそ、もう出かけるの?」

「ううん、私はまだ約束の時間には早いから。」

「そう…残念。一緒に出ようと思ったのに。」


誘ってくれた事が嬉しくて、少し早いけど彼と一緒に家を出る事にした。

コーヒーの入ったカップを彼の座るソファの正面のテーブルに置いた。
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