ラブ×コントロール


けど…涙は流さない。


絶対、アイツの事で涙なんか流さない…。


私は歯を食い縛って、深呼吸した。


「はぁ―…」


これで良かったんだよ。


これで…。


ーー


そして、日曜日。


約束してたデートの日。


「なぁ、本当に良かったのかよ?カイっ」


「だから知らねーよっ!一平おまえしつこいっ」


「けどよっ、おまえさっきからボールばっか投げてるじゃんよ?コントロールはどこへ行った?」


カイの球を受けながら、一平はカイにそう言った。


「うるせー!そんな日もあるんだよっ」


「じゃあ~もし、付き合う事になったらどうするんだよっ」


一平の言葉に、カイの手元はさらに狂った。


――ガシャンッ!!


カイの投げた球は構えていた一平から大きく外れ、その向こうのフェンスにぶつかった。



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