ラブ×コントロール


「アイツなんて“女が先に待ってるもんだ”って言ってたよっ」


「ふふっ…そう?けど、僕は先に待ってたいな」


「そうなんだ」


やっぱり、水内くん女の子扱いが上手い。
自然としてるのかな?


それなら、本当に偉いなぁ…。


「じゃあ、行こうか?」


「うん」


そうして二人は駅前の街並みに入って行く。


「最初、映画見ない?」


「えっ?」


映画…。


「うん、いいよっ」


別に言わなくてもいいよね?こないだカイと来たこと。


そして二人は映画館に入り、
上映案内を見ながら水内が口を開く。


「何か見たいのある?」


「えっ?うーん」


そう言って私も上映案内を見る。


夏にやってたのはやっぱりもうないな…。


特に見たいのも…あっ、あのホラー映画アイツ好きそう。


……って、何考えてんの私。


すると、水内くんの視線を感じて、私は慌てて振り返る。



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