ラブ×コントロール


カイは私に叩かれた手をさすりながら、そのままマットの上に座る。


私もまたつまづくのはイヤだから、カイより少し離れて座ることに。


「足つってねーか?」


「えっ?うん…あんたも大丈夫?」


「あぁ~とりあえず何ともないな」


「そう」


なんだかんだ心配してくれてるのかな?カイのヤツ…。


その時、ボールを打ったカキーン!という音が聞こえてくる。


「あ~ぁ、俺に気づかずやってるよ、アイツらっ」


「体育委員だから、まだだと思ってるんじゃない?」


「くそっ、出たら絶対しばくっ」


窓からはとても見えないグラウンドの方を見ながら、カイがぼやく。


薄暗い中、私はふと前から聞きたかった事を聞いてみた。


「ねぇ…そういえばどうして野球しようと思ったの?」


「あっ?」


「小さい頃からやってるんでしょ?一平くんから聞いた」



< 126 / 364 >

この作品をシェア

pagetop