ラブ×コントロール
カイは私に叩かれた手をさすりながら、そのままマットの上に座る。
私もまたつまづくのはイヤだから、カイより少し離れて座ることに。
「足つってねーか?」
「えっ?うん…あんたも大丈夫?」
「あぁ~とりあえず何ともないな」
「そう」
なんだかんだ心配してくれてるのかな?カイのヤツ…。
その時、ボールを打ったカキーン!という音が聞こえてくる。
「あ~ぁ、俺に気づかずやってるよ、アイツらっ」
「体育委員だから、まだだと思ってるんじゃない?」
「くそっ、出たら絶対しばくっ」
窓からはとても見えないグラウンドの方を見ながら、カイがぼやく。
薄暗い中、私はふと前から聞きたかった事を聞いてみた。
「ねぇ…そういえばどうして野球しようと思ったの?」
「あっ?」
「小さい頃からやってるんでしょ?一平くんから聞いた」