ラブ×コントロール

「実はもう一つあるんだ、大切なもの…」


「えっ？」


「君の事だよ…咲原さん」


「えっ…私？」


「…そうだよ」


水内くんは、いつもの笑顔を私に向けてきた。


水内くん、やっぱり私のこと…


どうしよう、何て言ったら…？


「咲原さん、僕の事も見てくれないかな？」


「えっ？」


「…クラスメートじゃなくて、男として見てほしい」


「……っ」


“男として”って、言われても…そんな……


私が困ってうつむいてると、クスッと笑う声が聞こえてくる。


「ふふっ…ゴメンね？困らせたよね」


「あっ…ううん」


手は握られたまま…
水内くんはその手先を見る。


「体調さえ悪くなかったら、君が僕の部屋にいると危険かもよ？」


「えっ？危険？」


「とても…我慢なんて出来ないよ」


「なっ…何言って？」


水内くんはそう言ったかと思うと、突然ゴホゴホッと咳こんだ。