ラブ×コントロール
その気に
そして街に冬が来て、
今日は雨。
授業が終わって放課後、帰り支度をしていると、突然カイが私の席に来て机をバンッと叩いた。
「今日は部活はねぇっ!」
「はっ!?」
「帰るぞっ!」
「えっ!?ちょっと―!?」
カイはそう言い捨てると先に歩いて行った。
訳もわからないまま、私はとりあえずカイを追いかけることに。
「お二人さんっ、頑張って~」
「ちょっと絵美っ、そんなんじゃないって!」
私がそう言った頃には遅く、教室からは冷やかしの声が。
「やっぱりおまえら、できてんのかぁ~」
「きゃー冬なのにあつ~いっ」
「…だからっ!」
みんなに言い返そうとした時、水内くんと目が合った。
「あっ…」
水内くんは私に笑顔を向けただけで、それに私も少し笑顔で返した。