ラブ×コントロール

その気に



そして街に冬が来て、
今日は雨。


授業が終わって放課後、帰り支度をしていると、突然カイが私の席に来て机をバンッと叩いた。


「今日は部活はねぇっ!」


「はっ!?」


「帰るぞっ!」


「えっ!?ちょっと―!?」


カイはそう言い捨てると先に歩いて行った。


訳もわからないまま、私はとりあえずカイを追いかけることに。


「お二人さんっ、頑張って~」


「ちょっと絵美っ、そんなんじゃないって!」


私がそう言った頃には遅く、教室からは冷やかしの声が。


「やっぱりおまえら、できてんのかぁ~」


「きゃー冬なのにあつ~いっ」


「…だからっ!」


みんなに言い返そうとした時、水内くんと目が合った。


「あっ…」


水内くんは私に笑顔を向けただけで、それに私も少し笑顔で返した。



< 141 / 364 >

この作品をシェア

pagetop