ラブ×コントロール
「へぇ~開放ねぇ~」
「何?海嫌い?」
「いや、冬にあんまり来た事ねーからな、でも冬の海もいいかもなっ」
そう言うとカイは、ニカッといつもの笑顔で笑った。
私は最近、この笑顔に弱い…。
「とりあえず座らね?」
「あっ…うん」
私達は浜から少し離れたベンチに座る。
周りは多くはないけど、やっぱりカップルがちらほらベンチに座っていた。
私達も…恋人同士だと思われてるのかな?
そんな事を思ってると、
「あ~分かったっ」
「えっ?何?」
「おまえ、何で海が好きなのか分かった」
「何で?」
「自分の名前が“うみ”だからだろ?」
「はぁ―?いや確かに名前は“うみ”だけど…別にそんな理由じゃ、だいたいそれはあんたの方でしょ?海って書いてカイでしょ?」